みなさん、こんにちは。スタジオワイルドローズの町田です。
本日はペニーブラッド・インヘリターズストーリーに収録される三篇の物語のうちのひとつ、『ペニーブラッド・口寄せの器』を紹介します!
口寄せの器は、1924年、関東大震災後の日本を舞台にした冒険活劇です。
主人公は双子の召喚士、搗宮(つきみや)風助と薫子。
異界からの侵略に対して帝都を守る震霆組(しんていぐみ)・零番隊の一員となった二人は、東京のあちこちに出現する異形のものたちと対決します。
双子が使う「口寄せ」の技とは、別名「妖魔化身術」とも呼ばれ、契約した妖怪の力を自らに取り込んで戦う特殊能力です。
精神力と妖力に長けた風助が呪文を唱えて妖怪を召喚し、武術と運動能力に優れた薫子がその妖怪と融合し、強力なフュージョンモンスターへ変身します。
術士としての高い資質を持つ二人ですが、厳しい修行は始まったばかり。二人が憧れる親戚の剣士のようには力をうまく使いこなせません。
大地震の爪痕が残る復興途中の東京を、果たして二人は守ることができるのでしょうか。
「神代の時より倭国におわします産土の神々、精霊、数多の御霊に謹んで御願い奉る……
明るい性格の風助は非常にタフな精神の持ち主。
姉の薫子とは違って格闘センスはありませんが弓術に秀でています。
我、搗宮風助の妖力と引き換えに、御身のお力を搗宮薫子へ……!!」
非常に真面目で体力に自信のある薫子。
幼い頃に祖父から聞かされた新選組の話が彼女を武道へと導きました。
・プロダクションノート
口寄せの器は大正時代の日本と現代の日本をつなぐ物語として構成されています。ストーリーの中に登場する舞台は時空を越えて今の東京にも存在する場所が数多くあります。東京に暮らす人々にとって普段は見慣れた風景でも『口寄せの器』を読んだ後は、少しだけドラマチックな景色に変わるかもしれません。
著者である葛田冬夜は、見事に物語の展開を東京の地理と合致させてくれました。
そんな舞台を駆けるのは、一人前の召喚士へと成長して行く二人の若者です。
日本全国に棲息する馴染み深い妖怪たちが登場するのも本作の魅力のひとつです。妖怪たちと契約を交わし、その力を借りて風助と薫子はパワーアップして行きます。
主人公を男女の双子にした狙いは、シャドウハーツ・フロムザニューワールドで登場したジョニーとシャナイアの関係性を新しい形で再生したいと考えたからです。シャドウハーツで描いたウルとアリスの熱血漢(ボケ担当)と優しいヒロイン(ツッコミ担当)をひっくり返した設定です。
時に笑い、時に泣き、時に喧嘩し、時に挫折する。それでも何かを成し遂げるために懸命に生きて行く二人。ウルやマシューと比べたらまだまだ半人前の二人ですが、彼らの織り成す冒険譚は、また違った体験を読者の皆さんに届けてくれると思います。
どうぞ、『ペニーブラッド・口寄せの器』にご期待ください!
町田
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